ピンピンコロリ(以下、ピンコロ)、PPKなどとも呼ばれています。
その意味するところは、最後まで病気をすることなく、ピンピンしていて、看病に人の手を煩わせることなく、コロリと逝くことです。
ピンコロという言葉の雰囲気も、なんだか楽しげだし、やっぱり、ピンコロが一番だよな~、なんて漠然と思っていませんか?
何が何でもピンコロだ!とやみくもに、あっちの健康法、こっちの健康法と、せわしなくしていませんか?
そもそも、本当のピンコロってなんでしょう?
本当にピンコロは人の手を煩わすことがないのでしょうか?
真の健康長寿のために、今回はピンコロについて考えてみたいと思います。
■あなたが望むピンコロは?
ピンコロのネーミング、本当にいいとは思います。
なんだか楽しそうですね!
本当は死を意味しているのに、とっても楽観的な言葉の響きです。
反対語として、最後は寝たきりになり、死を迎える「ネンネンコロリ」という言葉があるそうです。
こちらは、言葉の響きも好ましくありません。
ピンコロは多くの人が望みますが、実はこれは人によってそれぞれ望む状況が違うのではないか。
一人ひとり生きてきた人生が違うのだから、違って当然だと思うのですが、いかがですか?
ピンコロとひとことで言っても、それは十人十色。
100人いれば100通りのピンコロがあると思うのです。
あなたがもし、今、ピンコロを目指して、やみくもに様々な健康法を試したり、いろんなサプリを飲んでいる。
という生活をしているならば、それが本当にあなたの望むピンコロなのか、今一度、考えてみませんか?
■エンディングノートを書いてみる
エンディングノート、聞いたことがある方も多いかと思います。
自分の最後の時に、病床にあり、自分で意思を伝えられないようなとき、どこまでの医療を望むのか。
延命してほしいのか、その後の葬儀の希望まで書く場合もあります。
特に決まった形式はありません。
自分で自由に書きます。
「死ぬことのノートなんて縁起でもない」そう、思われますか?
けれども、これは取り組んでみて分かることですが、死を見つめることは、実はどう生きたいかを見つめることです。
どう死にたいか?を真剣に考えると、残りの人生を自分が本当はどう生きたかったのかが見えてきます。
また、こういったノートを残しておくことは、本当にあなたがピンコロで突然亡くなってしまったときに、残された家族や親しい方への大きな助けとなるでしょう。
■不用品の整理をする
本当にピンコロを望んでいるならば、元気なうちから不用品の整理をしておくことをおすすめします。
人生、長くなればなるほど、不要なものがたくさん溜まっていませんか?
もう何年も、いいえ、何十年も使われずにそのままになっている不要な荷物はありませんか?
あんたが本当にピンコロで逝ってしまったら、多くの不用品は残された人が処分しなければなりません。
これは、大変人の手を煩わせることです。
人生の棚卸!と考えて、思い切って不用品の処分を始めましょう。
■人の手を煩わせないことが幸せなのか
ピンコロという時、最後まで元気でというのは分かりますが、日本人に特に多いのが「最後まで人の手を煩わせることがないように」という考え。
けれども、これって、本当ですか?
私の知り合いの女性に、母親の介護で数年間、遠距離介護をしていた方がいます。
さぞ大変なことだろうと、周囲は思っていましたが、母親がが亡くなったとき、彼女は晴々として「この数年間、母とかけがえのない時間を過ごせた。
やってあげられることは、すべてやることが出来て、悔いはない」と言っていました。
私たちは、人に迷惑をかけることをいけないことだと思っていますが、それは本当なのでしょうか?
十分な介護の時間があったことで彼女は母親の死も静かに受け止め、又、ご自分の人生を歩みはじめました。
人に迷惑をかけること、人の手を煩わせることを私たちは非常に嫌いますが、それはある意味、年配者として、あまりにも思考が狭いのではないでしょうか?
時には誰かの手を煩わせることが、相手にとって素晴らしいギフトにもなります。
いずれは、誰かのお世話になる、そんな覚悟や、大きなものに身をゆだねるような余裕も、人生には必要な気がしてなりません。
■やっぱり歩くことはいい!
ピンコロを実現するために、足腰を鍛えておくことは大切です。
一日でも長く自分の脚で歩き、自分の身の回りのことが、自分で出来るためには、健康体が一番です。
足腰を鍛えるのに、簡単で今すぐにでも出来ることは歩くことです。
歩くと思考も整理されます。
エンディングノートを書くにしても、家の不用品の整理をするにしても、初めは何から手を付けたらいいのか、分からないと思います。
そんな時は歩いてください。いろいろな思いを巡らせながら、歩いていると、ふとした瞬間に、思いや考えがまとまることがあります。
良いアイデアが浮かびます。
歩けば、必ずピンコロ!などと、単純なことは言いません。ただ、足腰を鍛えながら、自分の人生を振り返り、考えを整理する。
やっぱり、歩くことっていいな~と思うのです。
■まとめ
ピンコロが楽し気な言葉の響きで、なんとなくいい!と思っている方は多いと思います。
本当に自分自身の人生をピンコロで締めくくりたいと、その最後を真剣に考えている人は、どのくらいいるでしょうか?
ピンコロとは、本来、自分らしく最後まで生きることなのだろうと、私は思います。
真の健康長寿とは自分らしい人生を一日も長く紡ぐこと。
ですから、歩けば、ピンコロ!などと、単純には言い切れません。
ピンコロがいい!と思った日からがスタート。
自分は今後の人生をどう生きたいのか、一度考えてみることが大切だと思います。
死に方を考えることは、生き方を考えること。
ピンコロの響きの良さにごまかされずに、自分の最期とこれからをちょっと真面目に考えてみませんか?
私の人生の最期は、人に迷惑のかからないピンコロを目指しています!
歩けば、きっといいアイデアが浮かびますよ。