肺ガン末期! 緩和ケア病棟に移動緩和ケアとは!
私の知人が肺ガンになり、他の臓器への転移し末期に近いガンで、治療も困難のため、担当医と家族と話し合い、同じ病院の「緩和ケア病棟」に移動することになりました。
こうした厳しい状況から、肺がん末期においては、残された人生を穏やかに自分らしく過ごせるように、「緩和ケア」を中心とした支援が行われています。
「緩和ケア」のことを何人かに話をしたが、「末期がんで治療法がなくなった人が受けるケア」とか、「あとは死ぬのを待つしかないとか…」などの意見が多く、「健康管理士」の立場として、「緩和ケアとか何か?」を究明していくことにしました。
75歳で肺がんが見つかり、急遽入院することに!
私の知人(75歳)が、数ヶ月前から身体に異変を感じていましたが、やっと思い腰を上げ、病院へ行き検査を受けた結果…
- 肺に小さな影が見つかり、2月半ばに横浜の大手病院を紹介され、検査の結果、肺がんと疑わしいので、すぐ入院すると連絡がありました。
その後、本人と連絡がつかず、病院に問い合わせると、コロナウイルスの関係で、親族以外のお見舞いはお断りしていると言われました。
やっと本人と連絡が取れ、2020年3月18日17時に見舞いに行きました。
コロナウイルスの影響で、やっとお見舞いに!
病院の面会受付けで、短時間なら面会可とのこと。
ナース室に声をかけ、4人部屋の窓際のベッドの彼のところへ、丁度夕飯の時間でした。
鼻から酸素吸入器、尿道カテーテル、お尻にはおむつをしていて、無気力の状態で頬は痩せこけ、目だけが大きく見開いていました。
私が初めての見舞客らしく、私に何やら話しかけてきましたが、入れ歯を外しているので、はっきり聞きとれず、何度も聞きだすのは悪いと思い、詳しいいきさつは聞きだすことができませんでした。
元気印の彼の変わり果てた姿に呆然!
「病状はどんな具合?」と話すと、
「肺がんが他部位に転移して、苦痛な日を過ごしているよと…」と、そのことだけは時間をかけて聞くことができました。
長居は無用と思い、帰る際、彼は右手を差し出してきたので、一瞬、何かなと思いましたが、
“ああ、握手を求めてきたんだな” と気付き、その手を両手で握りしめいたら、彼の目から涙が溢れでていました。……
彼は、4年前に脳溢血を患い、左半身不随で、何とか歩けていたが、3ヶ月前に転倒して、今度は右足を怪我をし、杖を付いて歩くのがやっとでした。
彼の奥さんとは面識がありませんが、彼の話だと4ヶ月前に動脈硬化で倒れ、治療してまだリハビリ中と聞いたことがあります。
病状が悪化!緩和ケア病棟へ、余命は…
そんな奥さんから、私の携帯にお見舞いのお礼の電話が入りました。
話の内容は、担当医から「緩和ケア病棟」へ移動の手続きの話があり、病弱な体で病院へ行き、“明日から「緩和ケア病棟」へ移ります” と言っていました。
● 緩和ケアの手続きをしてきた
● 明日「緩和ケア病棟」に移動する
● 肺がんはレベル4で、他にも転移している
● 放射線治療もできない
と涙ながらに話していました。
奥さんは、
「今まで平穏だったのに、ここへきて二人が不慮の災難に会い、どうしてこうなったのか信じられません。」
「あの人が今まで、一生懸命頑張ってくれたので、悲しくて仕方ありません。」
と涙ぐんでいました。
本当に世の中、何があるか分かりませんね。
つぎは我が身かもしれないと痛切に感じました。
「緩和ケア病棟」に初めてのお見舞い!
3月23日(日)緩和ケア病棟に初めて同僚とお見舞いに行きました。
病院に入って入口にインターホンがあり、お見舞いの話をすると、2階のナース室を案内され、短い時間ならいいと受付を済まし、病室へ行きました。
家族の方が宿泊できるくらいの、個室で広いスペースでした。
部屋の真ん中にベットが置かれ、本人はTVを見ていました。
顔には酸素呼吸器が付けられ、比較的元気で我々の顔を見て、懐かしそうな笑顔で迎えてくれました。
到底、余命幾ばくとは思えないくらい、元気で話をしていました。
あまり長居もできないので、握手をして部屋を出ましたが、その時の涙ぐんだ顔が、今でも印象に残っています。
「緩和ケア病棟」で安らかに眠りにつく
あれから1週間経ち、虫の知らせか彼のことが気になり、同僚と一緒に2度目の緩和ケア病棟に見舞いに行きました。
部屋に入り顔を見るなり、余りに変わり果てた姿に二人とも唖然としました。
ベットの彼は、青白い顔で口を半分開き顔には大きな酸素吸入器が付けられ、目は半開きでいびきをかいていました。
名前を呼んでも反応がなく、しばらく様子を見ていましたが、気づく様子もないようなので、部屋を出ました。
その時の直感的に感じたことは、本人には申し訳ないが、もう時間の問題だなと感じました。
次の日の夕方、奥さんから、今朝10時6分に息を引き取りましたと電話がありました。
緩和ケア病棟に入院して12日の短い時間でした。
緩和ケア病棟とはどんな使命を持っているのか改めて知りました。
がんによる苦痛を和らげる
緩和ケアとは
がんは、日本人の死因で最も多い病気で、病人の3人に1人が、がんで亡くなっています。
がん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。
「緩和ケア」は、がんと診断されたときから行う、身体的・精神的な苦痛をやわらげるためのケアです。
「緩和ケア」の定義とは?」
●痛みや、そのほかの苦痛となる症状を緩和する。
●生命を重んじ、自然な流れの中での死を尊重する。
●死を早めることも、いたずらに遅らせることもしない。
●死が訪れるまで、患者さんが自分らしく生きていけるように支える。
●患者さんの治療時から、患者さんと死別した後も、ご家族を支える。
●患者さんやご家族に、心のカウンセリングを含めたさまざまなケアをチームで行う。
●生活の質(クオリティ オブ ライフ:QOL)を向上させ、前向きに生きるちからを支える。
●がん治療の初期段階から、外科手術、化学療法、放射線療法などと連携しながら、緩和ケアを行う。
(WHO 2002の定義)
緩和ケア病棟とは!
緩和ケア病棟(ホスピス)は、緩和ケアを専門的に提供する病棟です。
名称としては緩和ケア病棟、ホスピス、緩和ケアセンターなどが用いられています。
緩和ケア病棟は、一般病棟や在宅ケアでは対応困難な心身の苦痛がある患者への対応や、人生の最期の時期を穏やかに迎えることを目的とした入院施設です。
転載:東北大学病院がんセンター
[参考] 緩和ケア病棟入院費用(概算)
入院費用には、入院医療費、食事医療費、室料差額、雑費の合計です。
負担額は負担割合によってことなります。
また、社会保険や国民健康保険の各種健康保険が適用されます。
緩和ケア病棟への入院は、「緩和ケア病棟入院料」という定額制で医療保険が適用されます。一定額を超えた患者負担額は、高額療養費制度が適用されますので、申請すれば払い戻しがされます。
●下記入院費用は、あくまでも参考資料です。
転載:医療法人社団医仁会 ふくやま病院
まとめ
末期ガンになってからでは、すでに遅いので、日ごろから健康に留意して、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
私の住む神奈川県では、現在の心身の状態だけでなく将来の状態を、より健康な状態に近づけていく「未病の改善」に向けて企業や大学・研究機関、市町村等と連携して様々な取組みを進めています。
「未病」を改善するには、特定の病気になってから治療するのではなく、将来の自分のために、普段の生活において、自分の心身の状態を把握していくことが重要です。
「緩和ケア」のお世話にならないよう、日ごろから「健康習慣」を心掛け、適度な運動とバランスの良い食事に気を付け、「健康長寿」延伸に向け頑張りましょう。
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